18年前、名古屋に来た時、食べ物にこんなに惹かれるとは思っていませんでした。でも、時間が経つにつれて、いつの間にか食べ物に夢中になり、この街の食文化に心を奪われていました。名古屋の料理、「なごやめし」として知られるその料理は、街そのもののように大胆でユニークです。スペインからのペスカタリアン(魚食主義者)として、私は何年もこの地域の地元の特産品を味わい、探求してきました。
「なごやめし」は特別です。日本の他の都市で見られる料理とは全く違います。味は大胆で、料理はユニーク、そして食べ物には冒険好きな食べ手にもカジュアルなグルメにもぴったりな温かみがあります。今回は、名古屋の忘れられない料理の数々をご紹介します。
ひつまぶしを初めて食べたとき、そのうなぎの調理法に驚かされました。外はパリッとしていて、中はしっとりとジューシー。この料理は本当に他にはない逸品です。名古屋風のうなぎは独特で、深みのある味わいを持っています。
ひつまぶしがユニークなのは、その食べ方です。4つの方法で味わうことができ、シンプルに食べるのはもちろん、わさび、ねぎ、海苔などのトッピングを加えたり、出汁をかけて温かいお茶漬けにして食べたりします。
私のお気に入りの理由は、パリッとした食感と深みのある味、そして何通りにも楽しめるところです。名古屋の本質を一皿で味わいたいなら、これがぴったりです。
日本の麺料理と言うと、ラーメンやうどんが思い浮かびますが、きしめんも注目すべき麺料理です。幅広の平たい麺は、繊細な食感と出汁を均等に吸収する特徴があります。丸くて太い麺のうどんとは違い、きしめんは平べったくて柔らかいので、名古屋特有の濃い醤油ベースの出汁と相性抜群です。
私がきしめんに惹かれたのは、タリアテッレパスタが好きな理由と同じです。平打ち麺には、どこか懐かしく、でも日本らしいひねりが加わった安心感があります。濃い出汁とともに、天ぷらや半熟卵を添えて食べるきしめんはシンプルで満足感があり、四季を問わず楽しめる一品です。
味噌おでんは、名古屋の食文化の歴史を感じさせる一皿です。おでんは日本全国で親しまれていますが、名古屋のおでんは、赤味噌を使った濃厚な出汁で他の地域と一線を画します。その味噌は深く、強い味わいがあり、冬にぴったりです。初めて食べたとき、その味はブルーチーズを思わせるような鋭い発酵感があり、予想外でしたが美味しかったです。
出汁が豆腐や大根、練り物に染み込み、味わいのバランスが絶妙です。ペスカタリアンの私でも、豆腐と大根が出汁を吸って味わい深くなるのが大好きです。味噌おでんで一番好きなのは、名古屋の味噌への深い愛情が感じられる点です。本当にユニークなものを試したい人にはぜひおすすめしたい料理です。
朝食に甘いものを求めているなら、小倉トーストは絶対に試してほしい一品です。シンプルながら驚くほど満足感があり、分厚いトーストに小倉あんという甘い小豆のペーストを乗せ、塩気のあるバターがアクセントになっています。最初に見たときは、「トーストに甘い小豆?」と疑問でしたが、一口食べたらその美味しさにすぐに夢中になりました。
小倉トーストの特別な点は、身近なトーストを名古屋ならではの独自のものに変えているところです。カリカリのトーストと、滑らかで甘い小倉あんの対比が絶妙で、ひとくち食べるごとに驚きの美味しさがあります。
甘い朝食に馴染みがない方にも驚きとともに愛されることが多いこの料理は、甘いもの派にも、塩味派にも新しい食体験を提供してくれます。名古屋で試してみる価値がある一皿です。
名古屋に来た当初はグルメになろうとは思っていませんでしたが、名古屋の料理は私の心を捉えて離しませんでした。ひつまぶしの精緻な調理法から、味噌おでんの心温まる味わいまで、それぞれの料理には伝統、革新、地元への誇りが込められています。名古屋の食文化は、ベジタリアンやヴィーガン、ハラール対応も一部店舗で行われており、誰でも楽しめる食の世界を目指しています。
日本旅行を計画しているなら、名古屋をリストに入れることをおすすめします。名古屋の食文化は、普通の観光体験を超えた、忘れられない食の思い出を提供してくれることでしょう。きっと後悔しませんよ。
日本に18年以上住んでいるスペイン出身の起業家で、情熱的なツアーガイド。彼女は『Nagoya is not boring』というツアー予約プラットフォームを運営しており、海外からの旅行者に名古屋でのユニークで忘れられない体験を提供しています。